青梅でジャムを作った。
作成工程は「大変だった」の一言*で終了。
* さすがにそれではさびしいので、余計な解説:青みを残し、なおかつあく抜きをするために、水にさらすこと一日、二度ほどゆでこぼし、まだ青いうちに(硬い)身を剥き、種の回りの果肉も惜しいのでこちらは軟らかくなるまで煮て裏ごし、青みの残る身に砂糖を適当に加えながら煮込み、全体に軟らかくなったらかき回して実をほぐす。で、甘さととろみを見ながら残りの砂糖をざーっと加えてできあがり。
[青梅ジャムのできあがり]
中瓶=400cc、小瓶=256cc
[家族や友人に贈るのに梱包]
いちばんたくさんあった梱包材が各種ブックカバーだった(笑)。
で、ちょっと大人の味。
寒天で固めるとおいしいかなと、寒天を煮溶かす。
[じっくり弱火で、焦げ付かないように時々かき混ぜながら]
寒天を煮溶かしながら、辻村深月『凍りのくじら』(講談社文庫)を読んだ。
というよりも、何ヶ月か前に買って、少しずつ読み進めていたもの。
ところが、なんだかつらい。周囲に適応できない、女の子が主人公。共感が難しく、読んでいて辛い。
で、読みかけのまま、しばらくベッドサイドに置いていた。
溶けかけの寒天は流氷みたいだ。
流氷の中で抜け出せずに苦しむ鯨のシーンから始まるこの小説を、改めて手に取った。
粉末の寒天とは違って、棒寒天を溶かすには時間がかかる。弱火で温めながら、沸騰しないように気を付けて、少しずつ溶かしていく。底が焦げ付いたりしないように、均一に火が通るように時々かき混ぜる。なめらかに溶けるにはけっこう大変。
『凍りのくじら』を一節読んでは、鍋をかき混ぜ、もう一節読んでまた鍋を・・・・。
寒天が少しずつ溶けていく間、ストーリーが動き出し、やわらかく、あたたかくなっていく。
エピローグの手前までたどり着くのと、寒天がなめらかに溶けるのとは、ほとんど同時。
いったん、本を置いて、青梅ジャムを投入してよくかき混ぜ、ボウルに少しずつ注いで、固まってきたらもうひとすくい。
[辻村深月『凍りのくじら』(講談社文庫)]
背表紙がドラえもん色なのは、偶然かなあ。
素敵な、すこし不思議な、お話でした。
読み終えてよかった。
章のタイトルが、ドラえもんのひみつ道具になっている、ドラえもんリスペクト本。
ドラえもん好きにも読んでほしいけど、なによりも、何となく居場所のない気がしている人に読んでほしい。
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