2011年4月16日土曜日

『かばくん』・・・・こっそり ゆめみて

『かばくん』・・・・生涯に一冊の本を挙げるとしたら、まっさきにこれ。
 
岸田衿子さく・中谷千代子え『かばくん』(福音館書店)の作者、岸田衿子さんの訃報を目にした。
 
[『かばくん』、初版は1962年、まだ私が生まれていないころ]
 
こどものころ、読んでいた本は、多分、ぼろぼろになって買い直した1981年の36刷り。それでも補修したテープが変色してはがれかけてる。
  
子供の頃から何度も読み返し、自分の血となり肉となり、自分を作ってきた絵本。
改めて影響の大きさを思う。
 
どうぶつえんに あさが きた
いちばん はやおきは だーれ
いちばん ねぼすけは だーれ
 
もちろん、主人公かばくんは、一番ねぼすけ。
ねぼすけで、くいしんぼうで、自由で、好奇心旺盛で、楽しむことを知っているかばくん*。
 
* ねぼすけで、くいしんぼうなのは、『かばくん』のせいにしてはいけないですね。そこは自己責任で(笑)
 
何気ない動物園の一日が、平凡で平易だけど、やわらかく美しい言葉で語られる。
 
そして、最後はこんな一節で終わる。
 
おやすみ かばくん
どうぶつえんに よるがきた
こっそり ゆめみて ねむってくれ
おやすみ かばくん
ちびの かばくん
 
よい夢が見られますように。
心からご冥福を祈ります。
 
おやすみなさい。

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