2011年9月11日日曜日

ツール・ド・本屋さん6・・・・雨は多摩丘陵を潤して『地上はポケットの中の庭』


ツール・ド・本屋さん6店目は、多摩センター。

海老名のお店がなかなか素敵で、しかもフリペコーナーで読み始まってしまったりしたので、もう夕方(→前回「ツール・ド・本屋さん5」参照)。
海老名~多摩センター間は、結構遠く、直線的に抜ける道がない。国道16号を北上して、多摩丘陵を迂回するように行く作戦。国道に出た頃は既に暗くなっていた。16号線は、都心部を大きく迂回する幹線道路。自転車のためというよりも、トラックのための基幹国道である。比較的道はよいが、路肩は決して状態がよくない。前照灯2灯を点灯して、尾灯は点滅。ひたすら北上。

と、雨が降ってきた。天気予報では、夜からは関東南部もところにより雨。ここで来たか。
多摩センターのお店には、ツイッターつながりの友人がおり、「夕方まではいるよ」とのことだったが、雨の中を急ぐと危険なので、「間に合わない、またの機会に」連絡。ウィンド・ブレーカーを着込んで慎重に走り、7時頃に多摩センターに着。


【6店舗目:啓文堂書店 多摩センター店】
啓文堂書店は、京王線の駅ナカ店の多い、いわゆる鉄道会社系書店。JRのBookExpressや東武鉄道の東武ブックス(草加に住んでた頃、だいぶお世話になりました)などの駅ナカ書店好きな私にとっても、なかなかやるなあというお店が多い(特に渋谷店にはよく行く)。

多摩センター店は初訪問。「小さなお店だよ」と聞いていたが、なかなかの品揃え。ここも、『クロネコ通信』というフリペを発行していて、オススメやフェア棚が楽しい。

ここで、1店舗目のブックポート203 鶴見店で店長オススメ棚から薦められた『ボーナス・トラック』(→「ツール・ド・本屋さん1」参照)の著者、越谷オサムさんの特設棚を発見。越谷さん得意の音楽モノが並ぶ。津軽三味線の『いとみち』が気になったが、なにより、「いいね!」と思ったのが、越谷さんの色紙。

「多摩センターオサムに改名してもいい  越谷在住 越谷オサム」

これだけ打ち出して売ってくれるお店って、作家さんや出版社さんからすると、嬉しいだろうな。


と、越谷オサムさんに気を取られつつ、実はこのお店だけは、買う本が決まっていた。
ツイッターで前から気になっていた本をオススメされ、「多摩センターで買いますね」と約束の本。



【選んだ本】
田中相『地上はポケットの中の庭』(講談社 ITANコミックス)
新人マンガ家さんのデビュー作とのことだが、豊かなイマジネーションと、自分の世界を持っていて、気持ちいい。やさしい、不思議な読後感。

[田中相『地上はポケットの中の庭』、表題作の他、巻末マンガも◎]
あ、あと、登場人物では、城間クンけっこういい感じ。

雨がひどくなってきたので、自転車をガード下に退避させ、晩飯。
それでも止まないので、さらにケーキと珈琲。
もちろん、読み終わってしまう。


少し小降りになってきた。買った本をきちんとビニール袋に包み、鞄に収める。さあ出発。

この後、立川、吉祥寺、阿佐ヶ谷、渋谷と回る予定だったが、ショートカットして渋谷を目指すことにした。渋谷まで30kmくらいかな。あと1店舗、だが、「百里の道は九十九里をもって半ばとす」という格言を思い知るのは、これからだった。

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